The家族写真
神戸市東灘区は1995年1月17日午前5時46分以降、街の姿が変わりました。淡路島北部を震源に発生したマグニチュード7.3の大地震によって。あの時に一番大切に震災のあと取り出されたものが写真なんです。
写真を見つけられた方は幸いでしたが、写真がもう手元になくなった方も。そんな方の中で、私ども写真館に訪ねて来られて「娘の成人式の写真が残っていませんか」と。私どものような写真館を営んでいるものは、お客さまをお撮りした写真フィルム、データは基本的に残しておきます。
肖像画がなぜ描かれたのか
写真という手段がなかった時代、肖像画という絵で人物画がたくさん描かれました。その技術が日本独自のもので、そこから日本が世界に冠たる「マンガ」文化をうみだしたのです。いまはiPhoneですぐ写真は撮れます。そして加工も手軽にできる時代。それでもなぜ人は記念の「集合写真」や「家族写真」を撮るのでしょうか。
自己承認欲求からでしょうか
自分だけの個人主義がGHQ政策によってなされましたが、それでも日本は家族主義の国だとおもいます。昭和の時代まで、各家々には客間には先祖代々の写真が飾られていたりしました。子どもごころに、なんて自分と顔が似ているおじいさんがいるんだろうかと。